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2025.0123(Thu) 1446 |
オーデュボンの祈り
さって、もうひとついってみよう。
寮の知り合いに何かお勧めの本はないかと聞いたところ、伊坂幸太郎という人の作品が面白い、とのこと。私の基本は「デビュー作から読む」なので、さっそく オーデュボンの祈りを読んでみました。

話のあらすじは、まあだいたい色々なところで書かれているのでその通りなのですが。
コンビニ強盗に失敗した主人公が警察から逃げ、意識を失って目が覚めたら、荻島という見知らぬ島にいた。その島には未来のことを知るしゃべるカカシの「優午」がいた。しかし、カカシは何者かに殺されてしまう。なぜカカシは自分の死を予測できなかったのか…
そんな感じ。変な島民もたくさん出てきます。人を殺してもいいことになっている「桜」、嘘しかしゃべらない元画家、300キロのウサギさん。一応、ミステリだそうですが、あまりこってりミステリって感じではないので、あらすじで「なんだそれ?」と興味を持たれた方はぜひご一読。

次はラッシュライフを読もうかな、と思っています。
って、いきなり次の話かってところですが、早くこの人の次の作品を読んでみたい!と思ってしまいました。ちょっとずつ読んでも飽きなくて平気でした。
文章は結構粗くて、会話文が多いのでちょっと手間取ったのですが、しゃべるカカシの優午は、なぜかとてもすんなりと受け入れられました。なぜ違和感がないのかとても不思議です。「静香」という、現実面にいる人物が「桜」について疑問を持った時も「そういうことになってるから」って言葉がぴったり。それ以上に説明するにはとても困難。
会話文が多いだけにそこが見せ場で、会話がとても楽しい。軽妙。見習いたいなあと思ってしまいます。変な住民たちや主人公の作り方がとてもすてき、とも思います。それぞれちゃんと役割を果たしてて、関係があったりなかったり、実はすべてがつながっていたり。
普通に物語性を重視して読んでいくと最後はもしかしたらがっかりしてしまうかもしれませんが、随所に書かれている住民たちや主人公の主張を見ていくと、ああ、こういうことってあるなあと思いました。非日常的な世界なのに、同じことを考えたことがある。不思議。
たとえ話もいろいろあって、すごいな、と思う。結構、日常でも「それってあれがどうのこうの、みたいだよね」って言うことがある。でも、ちょっと見当違いのたとえ話もしてしまったりして、主人公伊藤の突っ込みが住民たちに対して入ると面白くて、くすりと笑ってしまいます。

そうだ、意外にどうなるか期待していたのにがっかりしたのが城山と伊藤の再会。あんまり喜ばしい再会ではないけれど、せっかくだからなにかしら書いてほしかったかな。伊藤がとても面白い人なので、そんな伊藤が城山にどういう風に接するのか少し気になりました。城山、とっても怖かったなあ。
伊藤がさんざん「音楽とのふれあい?」と言っていて、最後も結局それで。ってところは意外にがっかりしませんでした。むしろ、何度か「音楽とのふれあい?」とほぼ答えに近いものを言ってくれたおかげで答えを知った時になんだか嬉しくなりました。

ミステリの部分とか、ハードボイルド的部分とかはまあ、それなりに面白かったです。でも、一番面白いのは各所にある「ものの考え方」です。変な住民がいて、「何かが欠けている」ので、ふつうは誰も考えても言わないことを言っていくのでちょっと喜ばしい。ああ、こういう考え方をする人もいるんだ、と思う。
もちろん、結末は気になったけれど、そういった「ものの考え方」に関する記述がなくなったところで読むのをやめても、私としては問題ない気がしました。もっとこういう「考え方」ってものを読んでみたいです。少し前に読んだ『扉の外』という電撃文庫の作品でも、「考え方」ってのがわかって楽しかったので。
でも、やっぱり結末や展開が面白いものも読みたい!ですから、それなりに忙しくなってきた大学生活を一緒に楽しんでいきます。

ところで、最近一気に(いえ、もともとあまり上手ではありませんでしたが)文章を書く力が落ちている気がします。感想の書き方もだらだらしていて、表現力もありません。まだ私が受けている講義ではこれというレポート課題の提出は迫られていませんが、感想でさえだらだらとへたっぴに書いてしまうのでは先が思いやられます。ブログももっと積極的に書いて、久々にちょっとした物語なども書こうかと思います。
ちょっとした物語は、たいていその場の思いつきで書いてきたので、全体の構成を即その場で考える力もついていたのではないかな、と思ってます。今はそれがとんでもなく悲惨です。正直読みづらいです。
自分のために、がんばります。
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2007.0518(Fri) 1526 | Comments(0) | TrackBack() | カンショウ記録

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